東松照明の写真

期間:2012年11月10日 ~ 2012年12月16日
場所:砺波市美術館
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)
 1950年代半ばから今日まで、旺盛な活動を続けている日本を代表する写真家・東松照明の写真展。北陸初の開催となります。
 <水害と日本人>(1954年・岩波写真文庫)<11時02分 NAGASAKI>(1961年)など、既存の報道写真の概念を大きく踏み越えた業績から、「写真の巨人」と評される東松照明(とうまつしょうめい1930-)は、日本の戦後史の特徴をアメリカニゼーション(米国化)と捉え、1959-67年にかけ全国の米軍基地周辺を取材します。そして占領シリーズの最後の地として、1969年に初めて沖縄を訪れ、<OKINAWA沖縄OKINAWA>(1969年)を制作しました。しかし、沖縄の島々を取材する中で、アメリカニゼーションを拒む強靭で良質な文化と遭遇し、その強烈なカルチャーショックから後年、名作<太陽の鉛筆>(1975年)へと結実させます。
 沖縄に滞在して以降、東松は以前の作品とは明らかに異なる、淡々としたカラー写真を撮り続けています。戦後日本の社会と日本人を見つめ、状況の深層を鋭く視覚化する写真を提示してきた東松が、なぜ、私たちの解釈や比喩を拒絶するかのような寡黙なカラー写真の制作にこだわり続けているのか。東松照明のモノクロームからカラーへの転換を考えること、それは写真を手段とした一人の表現者の軌跡を辿ることであり、同時に、見る側の視線の変化を問い返すことにもなります。
 東松は自作を語るとき、自然と人工、現実と虚構(世界と写真)が重なり合う場という意味を込めて「インターフェイス(境界面)」という言葉を用います。これは「視る」ことで外界と関係を結びながら、写真という虚構のイメージを創り出す写真家・東松照明の基本的な立場表明であり、同時に、現実世界にも虚構の世界にも止まりえない「写真」の本質的な問題を私たちに再考させるものといえます。
 本展はそうした写真家・東松照明が近年手がけたカラー写真158点を集めて展覧するものです。
 カテゴリーは次のとおり。「京まんだら」「さくら」「沖縄マンダラ」「長崎マンダラ」「プラスチックス」「インターフェイス」。



観覧料
一般800円(700円)/大学生500円(400円)/高校生以下無料 ※( )内は前売料金、20名以上の団体料金、シニア(65歳以上)の減免料金 ※心身に障がいのある方の観覧は無料(介添者1名を含む)※入館の際に証明できるものをご掲示ください
講演会:東松照明 写真考「写真とは」
東松照明の写真と言葉を紐解きながら皆さんとご一緒に写真について考えます。
期日:12月9日(日)午前10時~11時30分
会場:砺波市美術館 2階 市民アトリエ
講師:新里義和(沖縄県立博物館・美術館 主任学芸員)
聴講無料
写真現像のワークショップ
砺波市美術館の暗室をつかって白黒プリントの作成を体験しましょう(現像ずみネガフィルム35㎜サイズから4×5インチサイズまで)をご持参ください
期日:11月17日(土)午前10時~午後3時(昼休憩あります)
会場:砺波市美術館 2階市民アトリエ、暗室
講師:橋本文良(高岡市美術館副館長、写真家)
定員:一般12名
参加料:1000円
学芸員ギャラリートーク
期日:11月10日(土)、12月16日(日)各回、午後2時より
会場:砺波市美術館 展示会場
トーカー:末永忠宏(砺波市美術館学芸員)
要観覧券


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