館蔵品展 絵画と写真にみる 人・色・かたち

期間:2013年2月9日 ~ 2013年3月3日
場所:砺波市美術館 1階企画展示室
時間:午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
「絵画と写真にみる 人・色・かたち」と題して、砺波市美術館 館蔵品展を開催いたします。
この展示では砺波市美術館の1000点を超える収蔵美術品の中から、絵画と写真より、60点の作品を選びます。この中には今年度新たにコレクションに加わった作品も含まれています。
絵画からは砺波出身の川辺外治、下保昭、清原啓一ら大家の作品をはじめ、林清納、堀泰明、木下晋ら実力作家の作品がならびます。絵画を拡大解釈するならば、表立雲の約束事を超えた書表現、川原和夫の木彫によるレリーフ表現もこの系列といえるでしょう。写真ではジャック・アンリ・ラルティーグ、ジャンルー・シーフの風景写真や人物写真、井津建郎のプラチナプリントによる石造遺跡の写真、砺波出身の髙道宏の自家製印画紙による自然やモロッコ写真などが選ばれています。また、現代の美術表現の一翼をになうメディアとしての写真に着目し、岩城信嘉の海岸に設置した石の倒伏に至るまでの記録(安齊重男撮影)、森村泰昌の映画女優に扮するポートレイトといった、美術家の幅広い表現もご紹介いたします。
対象やイメージを紙や布の上に彩色して表現する絵画と、光にさらされる被写体をカメラという名の機械を通して切り取る写真。絵画の起源は古く、それに比べると近代以降に誕生した写真の歴史はまだ浅いといえるのかもしれません。
しかしながら両者には分かちがたいつながりを見出すことができます。例えばその初期の写真術は、ピクトリアリズムが主流で、絵画を非常に意識した写真が流行していました。また、エドガー・ドガをはじめとする印象派の画家は絵画制作に写真を活用していたことが分かっており、土門拳や東松照明といった写真家は、若いころ画家志望だったことなどが指摘されています。素材と表現形式について大きな違いをもつように見える絵画と写真には共通項があるのかもしれません。
この展覧会では両者がもつ差異と近似を引き出すべく、絵画と写真を意図的に混在させ、「人」・「色」・「かたち」の3つのテーマのもとで再編することを通して、あらためて絵画と写真の魅力を探ってみようと試みるものです。



観覧無料


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