郷土作家シリーズ12　藤井 宏展

郷土作家シリーズ12として、砺波市出身の洋画家・藤井宏（1921～2012）の作品を集めた展示を開催いたします。藤井宏は、1921年に東礪波郡中野村（現・砺波市中野）に生まれます。富山県立福野農学校を卒業後、東京美術学校（現・東京藝術大学美術学部絵画科洋画専攻）に入学します。1938年に同校を中退、帰郷後は教職に就きながら絵画制作に励みます。1955年、第11回日展に出品し初入選、以後連続12回の入選を重ねます。並行して創元会にも出品し、その都会的で洒脱な人物表現は注目を
集めました。1959年に創元会会員に推挙され、80年には第39回創元会展において文部大臣賞を受賞。92年には同会理事に就任しました。また、同郷の洋画家・川辺外治と共に彩彫会を結成し、となみ野美術展実行委員など、地域の美術振興にも尽力しました。
本展では、そうした画家・藤井宏の初期の日展出品作から、円熟の域に達した晩年の創元会出品作を中心に、かれの創作の軌跡を紹介します。